新着情報
事業所紹介-有限会社ホクブ(広島安佐商工会)
[かゆい所に手が届く丁寧なサービスで信頼関係を構築。働き方改革を目指してDX化にも着手]
投稿日:2024.04.02
広島市安佐北区の山間にある有限会社ホクブは、一般廃棄物、産業廃棄物の運搬・処理を行っている企業です。創業から約50年が経ち、現在代表の表秀幸さんで3代目。地域に密着した細やかなサービスとクライアントを大切にする真摯な心が、今もなお受け継がれています。
「ゴミを収集するだけでなく、収集場所を掃除したり、バケツなどの物を整理したり、現場をきれいにすることを社員みんなが心掛けています。またお客様と対面で話せる集金は、私たちにとって貴重な機会。コミュニケーションも大切にしながら、信頼関係を築いています」と話すのは、先代の孫で事務関係を担当している岡藤優希さん。クライアントは病院や介護施設、飲食店、一般家庭など様々です。相手の立場に立ったサービスが信頼を集めています。
2023年には、広島安佐商工会の勧めで広島県のDX道場に参加。研修やセミナーを受けながら、経営指導員と二人三脚でDX化に取り組んできました。これまでは顧客の情報を紙の台帳で管理。請求書の発行までに何度も同じ情報を転記する必要があり、記入ミスや入力ミスといったヒューマンエラーも発生していました。「特に事務は女性が多い職種です。子育てや介護などで会社を休みたい時にも、作業量が多いため休みにくい環境になっていました。DX化に着手することで作業の効率化を図り、働き方改革にも繋げたいと考えていました」と岡藤さんは話します。
専門家のサポートもと、クラウド型販売管理システム「楽楽販売」の導入を決定。5月から本格稼働する予定です。事務のDX化が軌道にのれば、現場にも最適なシステムの導入を検討しています。「子育てをしていても、介護をしていても働くことを諦めてほしくない。女性でも心置きなく働ける環境をこれからも整えていきたいです」と力を込めます。
創業当初から変わらないアットホームな雰囲気も同社の魅力です。現在、一緒に働いてくれる社員も募集しています。詳しくはHPからお問合せください。
●有限会社ホクブ
住所/広島市安佐北区可部町大字今井田字観音谷371-6
TEL/082-815-1183
定休日/日・祝日
事業所紹介-iwaka(三次広域商工会)
[県内で一番敷居の低い石材店を目指して。石にまつわる雑貨を集めたショップをオープン]
投稿日:2024.03.29
ここは三次市作木町にある岩岡石材(有)が、お墓がすぐに必要のない人にも石の魅力を伝えたいと、石にまつわる雑貨やオブジェを集めたショップです。店内には、石の産地である愛知県岡崎市の女性石工が手彫りしたイヌやネコの置物など、全国の石材店が手掛けたユニークなアイテムがずらり。珍しいアイテムも多く、店内を見て回るだけでも楽しめる商品ラインナップです。中には、オーナーの岩岡さんが試行錯誤して完成させた溶岩石のフラワーポットなど、オリジナルアイテムも並びます。
また、石で作る表札や雑貨などのオーダーメイドにも対応し、石のことなら何でも相談できる頼れるお店。もちろんお墓の相談も随時受け付けています。一般的な墓石はもちろんのこと、今注目の自宅に置ける「自宅墓」なども店内に展示。流行りが分かる、お墓の最新事情もゲットできます。
さらに石の魅力をもっと多くの人に伝えるため、マルシェやイベントにも不定期で出店。ストーンアートのワークショップやコーヒーを石臼で挽いて味わう体験会など、様々な角度で石の魅力を発信し続けています。
石材店の常識を覆すユニークなショップは、訪れるだけでも楽しめること間違いなしです。Iwakaの魅力は、三次広域商工会の公式YouTubeチャンネル「ななまちチャンネル」でも公開中。こちらもぜひご覧ください。
●iwaka(イワカ)
住所/三次市東酒屋1479-4
TEL/0824-55-6609
営業時間/10:00~18:00
休み/金土日曜は不定休
HP/https://iwaokasekizai.com
事業所紹介-Yショップ中久保店(三次広域商工会)
[「こんなところにこんなものが!」。わくわく感いっぱいのコンビニエンスストア]
投稿日:2024.03.28
「Yショップ中久保店」は、戦後まもなく創業し、長く地域の方に親しまれているお店です。創業当初は食料品店としてスタートし、2000年に時代のニーズに合わせて、「コンビニヤマザキYショップ」に加入しました。店内には地域の方の暮らしを支える食料品や日用品がずらりと並びます。そんな中、ひと際目を引くのがオーナーの中久保さんがセレクトした地元や全国各地の逸品、地酒、特産品など。一般的なYショップではなかなかお目にかかれない、ユニークな商品ラインナップも好評です。
また、併設する厨房で手作りされたお弁当やお惣菜も人気。揚げ物、焼き物、和え物など種類豊富に揃い、中久保さんの奥様お手製の日替わりサービス弁当はワンコイン(500円)と破格。忙しい子育て世代や高齢者など、幅広いニーズに応えています。なかでも30年間で21万枚を売り上げたお好み焼は、この店一番のロングセラー。定番の肉玉そば(600円)、うどん(600円)のほか、三次唐麺焼(700円)や府中焼(600円)といったご当地お好み焼まで専門店顔負けの品揃えです。
三次市と合併してから人口の減少が続いている甲奴町。中久保さんは町の商店の生き残りをかけて、通販など様々な方法にチャレンジしてきました。中久保さんは、「ティッシュや石鹸などの日用品を買うために、隣町まで出かけないといけないのは寂しいことです。自分たちの子ども代がこの地域に戻ってこられるように、やっぱりお店は必要だと思うんです」と話します。ここは買い物をするだけでなく、地域の元気を支えるコミュニティースポット。これからも中久保さんご夫婦が様々な仕掛けで店と地域を盛り上げてきます。
Yショップ中久保店の最新情報はこちら
また、Yショップ中久保店の魅力は、三次広域商工会の公式YouTubeチャンネル「ななまちチャンネル」でも公開中です。こちらもぜひご覧ください。
●Yショップ中久保店
住所/三次市甲奴町梶田16-2
TEL/0847-67-2328
営業時間/7:00~20:30、土曜・祝日は~19:00
休み/不定休
『令和5年度臨時総会』開催(県連)
投稿日:2024.03.26
広島県商工会連合会は、令和6年3月21日(木)ANAクラウンプラザホテル広島(広島市中区)にて、『令和
5年度臨時総会』を開催し、出席者34名(うち委任状2名)により、令和6年度の事業計画や予算などについて審議を行いまし
た。
平田圭司会長は、冒頭の挨拶で、1月18日に初めて開催した新年互礼会が盛会に開催できたことに感謝の意を述べると
ともに、元日に発生した能登半島地震に対して、職員の応援派遣への協力をお願いしました。
また、中小・小規模事業者においては賃上げの原資としての価格転嫁ができない中、人員不足を防ぐための防衛的な賃上げを余儀なくされるなど、依然として厳しい状況が続く中、商工会からの意見に重点を置き、国・県など行政機関に対して、会長就任以来、一貫して要望活動に取り
組んできたことや、商工会組織の認知度向上に努めてきたことを説明しました。
令和6年度の事業計画については、「広島県商工会連合会プラン2020」が実行5年目を迎えることから、PDCAのプラン検証を含め、次期プランの作成に着手することを説明。
また、一昨年9月にリニューアルした夢ぷらざについて、売上も好調に推移しており、販路開拓のハブ機能を目指して事業に取り組んでいくことを説明しました。更には、県連会館の移設についても検討すべき事項と情報等を整理のうえ、具体的な協議に着手することを述べました。
最後に大きく変貌する経済環境の中で、商工会の活動をさらに強化できるよう、5年先10年先を見据え、取り組んで参りたいと出席者に協力を依頼しました。
その後、大崎上島町商工会の小川裕壮会長を議長に選出し、議事が進行され、上程した第1号議案から第6号議案の全てが、原案通り承認可決されました。
提出議題は次の通り
第1号議案 令和5年度収支補正予算書(案)承認の件
第2号議案 令和6年度事業計画書(案)及び収支予算書(案)承認の件
第3号議案 令和6年度県連合会会費賦課基準(案)及び徴収方法(案)承認の件
第4号議案 令和6年度電子計算機処理手数料賦課基準(案)及び徴収方法(案)承認の件
第5号議案 令和6年度借入金最高限度額(案)及び借入先承認の件
第6号議案 広島県商工会等職員の給料表、初任給、昇格、昇給等に関する統一規約の一部改正(案)承認の件について
事業所紹介-いろどり(沼田町商工会)
[Instagramとマーケティングを組み合わせて、エンドユーザーの心に届く発信を]
投稿日:2024.03.25
2023年10月に『いろどり』を立ち上げ、PR動画の制作やSNS運用のサポートなど、幅広いサービスを展開している金村彩さん。中でもSNSの運用代行を得意とし、Instagramを中心に集客や売上アップに繋がる運営サポートを行っています。集客に繋がる様々な機能を搭載しているInstagramは、今注目の販促ツール。しかし、その利便性を理解していても、それをどうやって活用すればいいのかが分からない、運用する時間がないという人が多いのも事実です。金村さんはInstagramの運用サポートと併せて、SNSを活用したマーケティングも提案。ターゲットに届くSNS運用を叶えてくれます。
金村さんがSNSを運用する際に大切にしていることは、事業者の人柄が見える発信をすること。「いい商品だから買いたい」だけでなく、「この人の商品だから買いたい」と感じてもらえる発信がリピートに繋がり、ファン層の拡大になると考えています。
また金村さんは、YouTubeやバックオフィス、HP、プログラミングなど様々なジャンルのクリエーターとチームを組んで活動中。SNSで集客するためのサービスをほぼ網羅し、幅広い要望に応えてくれるのも魅力です。
Instagram運用を仕事にしたいという人を対象にした講座も開講しています。講座では初心者から上級者まで幅広くサポート。受講生はママが中心で、「自らの力で収入を得たい」と考える方に向けて、案件を獲得するまで伴走支援する手厚い内容が好評です。受講の申し込みやお問い合わせはメールで受け付けています。
講座はチームで運営しているコワーキングスペース「MBA_Work.CAMP」で開催しています。ここは、企業の会議や打ち合わせ、フリーランスの作業場など、様々な使い方ができる便利なスペース。金村さんの他にも、様々な講座やセミナーが開催されています。「地域の方にも気軽に利用してもらい、ここが地域の方と事業者の方を繋げる場所になれば嬉しいです」と金村さん。お問い合わせは「MBA_Work.CAMP」のInstagramから受け付けています。
「MBA_Work.CAMP」のInstagramはこちら
Instagram運用に興味があるけれど、まだ二の足を踏んでいるという方。Instagramとマーケティングのプロと一緒に取り組んでみませんか?
○いろどり
住所/広島市安佐南区西原4-28-22(MBA_Work.CAMP内)
E-mail/miraino.irodori88@gmail.com
経営支援事例-美谷ファーム(江田島市商工会)
[創業当初には思いもよらなかったニーズに応えるため、補助金を活用して設備機器を整備]
投稿日:2024.03.22
江田島市能美町にある「美谷ファーム」は、古民家の一角を改装した小さなスイーツ店です。もともとは、農業を主として令和2年3月に創業しましたが、農業の副業として作り始めたスイーツが人気を呼び、現在はスイーツの製造・販売をメインに、ケーキに使用する花やハーブなどを栽培しています。
広島市内の有名スイーツ店に勤めていた美谷さんは、在職時は販売を中心に担当。食材に興味を持ち、「自分で安心な果物・野菜を育てたい」「自然の中で仕事がしたい」との想いを持ち、農業の世界を目指しました。専門的な知識と技術の習得するため「広島県立農業技術大学校」に入学した後、江田島市内の農業法人に就職。9年間お世話になり、江田島市能美町に古民家と農地を購入し独立しました。
「食を通じて、おいしい、楽しい、を広げていきたい」という想いから、野菜や果樹を育てながら、自分のスキルを活かすことを考え、スイーツづくり(試作)に取り組みました。そして、経営力向上・事業計画作成のため令和元年に江田島市商工会が主催する創業塾を受講し、令和元年11月に卒業。令和2年4月に自宅(古民家)をリフォームして、スイーツ店をオープンしました。
江田島市内に生洋菓子を製造・販売するお店が少なかったこと、SNSでの情報発信などが功を奏し、スイーツ人気が急上昇。販売日には、昼過ぎに売り切れてしまうことが増え、圧倒的に生産量が追い付かなくなってしまいました。「スイーツの製造を本業でやるつもりではなかったので、最初の道具はハンドミキサー1つだけ。商品を陳列するショーケース冷蔵庫も商店で見かける縦型の小さなものでした」と美谷さんは振り返ります。
本格的な設備投資が必要だと感じた美谷さんは創業塾で支援を受けた江田島市商工会に相談。田中経営指導員は、商品の多品種化・製造量の増加、併せて作業効率の向上や品質向上も図る事業計画を店主と一緒に検討しました。
スイーツ店にはなくてはならい大型ショーケースや業務用の冷蔵庫、材料を保管するための冷凍庫、大型のミキサー、販売スペースなど増産に必要なものを一緒に考え、活用できる補助金の申請をサポートしました。活用したのは、『江田島市がんばりすと応援事業補助金』と『小規模事業者持続化補助金』の2つ。補助金で設備を整えた結果、ケーキの種類は常時3種類から10種類に増え、それが顧客の購買意欲に繋がり、売り上げも1.5倍に増加しています。また、作業効率が上がったことで時間にもゆとりが生まれ、新しい商品開発にも力を注げるようになりました。
現在は店舗での販売の他、創業塾で繋がりができた喫茶店での生洋菓子の委託販売、ホテル・民宿などからイベント用ホールケーキの注文もあります。「対応力が上がり、商品種類の多品種化と製造量の増加が実現できたため、お客様の注文に応えられるようになりました。スタッフも2名増えました」と美谷さん。今後は、新たな商品を開発し商談会やテストマーケティングへの参加、イベントなどへの出店も視野に入れながら販路開拓に挑んでいく予定です。
美谷さんは、「地元で採れたラズベリーやみかんなどの果樹を育ててお菓子に使ってみたい。いつか江田島銘菓と呼ばれるものが作れたら最高ですね」と笑顔を見せます。江田島市商工会では、今後も専門家派遣、販路開拓など、様々な支援を行っていく予定です。
美谷ファームのインスタグラムはこちら
○美谷ファーム
住所/江田島市能美町鹿川2195-2
TEL/090-7132-7461
営業時間/11:00~18:00(売切れ次第終了)
休み/火水木曜
経営支援事例-Sweets factory and(神辺町商工会)
[事業者の想いを一番大切に、寄り添いながら二人三脚で進めた創業支援]
投稿日:2024.03.21
野山に囲まれた静かな場所にある「Sweets factory and」は、地元の方に愛される地域で唯一のスイーツ店です。令和4年4月にオープンし、厳選した食材を使ったケーキやパンを提供しています。創業を支援した神辺町商工会の山田経営指導員は、「商品一つひとつに店主の平山さんの地元愛が詰まっています」と太鼓判を押します。
平山さんと初めて出会った当時、平山さんは出産から数ヶ月しか経っておらず、乳児を抱えていました。山田経営指導員がまず考えたのは「子育てをしながら創業をすることは可能なのか?」ということ。しかし、平山さんが面談時に用意していたノートには、創業する上で大切な『When』『Where』『Who』『What』『Why』『How』の『5W1H』が明確に記載されていた他、創業に対する熱い想いも書かれおり、「応援したい」「これなら成功する!」と感じたと言います。「考えや想いを明確にしていたので、日本政策金融公庫に創業融資を申し込む時にも、創業計画書をスムーズに書くことができました」と山田経営指導員は話します。
創業にあたり、平山さんの強みと弱みを分析したところ、強みは『13年のパティシエの経験がある』『二世帯住宅で両親の協力の元、子育てとの両立ができる』『自宅敷地内の倉庫を元建築士の父が改装するため設備投資の費用も抑えることが出来る』『家賃がかからないため、素材にこだわった商品を提供できる』など。逆に弱みは『創業までの流れに不安がある』『日本政策金融公庫で資金を調達するための必要書類が分からない』『経理関係が分からない』などがありました。
山田経営指導員がまず取り組んだことは日本政策金融公庫への融資申し込みの支援。融資申し込み時の創業計画書は平山さんの想いをしたためたノートと業種別審査事典を活用しました。創業計画書はスムーズに書けていたので、創業計画書以外の写真や情報メモを作成して日本政策金融公庫へ直接交渉。平山さんが心を込めて作成した創業計画書を提出した際には担当者からも「この様な創業計画書は久しぶり見た」と太鼓判を押され、準備と努力の甲斐あって希望通りの融資を受けることができました。
次に取り組んだのは、創業にあたっての各種届出関係。開業届や青色申告の申請書をはじめ、従業員を雇用するのに必要な労働保険関係の提出物や提出先の一覧表を作成。平山さん自身が出産後数か月しか経過しておらず、時間があまりとれないことから、一覧表に漏れがないよう何度もチェックして表を作成し、オープン2ヵ月前には全ての書類の提出が完了しました。
こうして二人三脚で迎えたオープン当日。100点以上用意したスイーツとパンは午前中には完売する盛況ぶり。地域の方からも「待ってたよ」「美味しいケーキ食べさせてね」と嬉しい声が届きました。そして、オープン一年目は平山さんと山田経営指導員の予想を大きく上回る売り上げを計上。共に喜び合いました。
創業後は定期的な訪問による記帳指導のたびに売上状況や店舗の様子などを確認。創業計画書に記載した売上との比較や原材料費の仕入状況などの確認など意見交換やアドバイスを行いました。一緒に考え、歩みを進めていくのが山田経営指導員のスタイル。1年以上が経った今も、それに変わりはありません。
平山さんの一番の想いは、地域の方をまず一番に考えて恩返しをすること。想いの詰まったケーキやパンが今日もお店いっぱいに並んでいます。
○Sweets factory and(スイーツ ファクトリー アンド)
住所/福山市神辺町東中条18-4
TEL/084-967-1000
営業時間/11:00~18:00
休み/水木曜、ほか不定
経営支援事例-島居マリン(尾道しまなみ商工会)
[将来のビジョンを明確にするため経営革新計画の作成に着手。計画を着実に実行し売上目標を3年で達成!]
投稿日:2024.03.19
瀬戸内海の沿岸に位置し、小型船舶の修理・販売を行っている「島居マリン」。迅速・丁寧な対応を心掛け、地域に密着したサービスを提供しています。平成28年に事業承継し、現在は2代目の島居賢二さんが事業を切り盛りしています。
事業を継承したばかりの島居さんの頭を悩ませていたのは、いつ故障するか分からない老朽化したクレーン車。約50年前のもので、新しいクレーン車を購入して事業規模を拡大するか、購入せずに事業を縮小するか、岐路に立たされていました。尾道しまなみ商工会に相談したところ、まずはビジョンを明確にするために経営革新計画の作成を勧められ、チャレンジしてみることに。支援を行った井上経営指導員は「業界のことを調べてみると、大きな設備投資をしても島居さんなら業務拡大が可能だと確信しました。覚悟のいる出費でしたが、島居さんの人柄と人間力もあり後押しすることができました」と話します。
経営革新計画の作成では、新しいクレーン車を購入することを想定し、売上目標などを綿密に設定。同時に固定資産税と借入金利の優遇措置を受けることができる経営力向上計画の作成にも取り組みました。二人三脚で取り組んだ経営革新計画は承認され、平成30年に25tのクレーン車を導入。安全に作業ができるようになっただけでなく、これまでより大きな船舶の修理も可能になり、作業時間も大幅に短縮できるようになりました。
また、クレーン車導入による業務拡大を見据え、小規模事業者持続化補助金を活用して応接室を完備した事務所を改装。受注も順調に伸び、売上は5年後の目標を前倒しして3年で達成することができました。令和5年で承認から5年が経ち、また新たに経営革新計画を作成して新規事業にも取り組んでいく予定です。
新事業では尾道沿岸部という最高のロケーションを活かした観光業への参入を予定しています。「観光地として人気の尾道ですが、アクティビティはまだまだ少ないように感じています。最高のフィールドで、ボートやフィッシングといったマリンレジャーを楽しんでほしい」と島居さん。
また、これまでマリンレジャーに興味がなかった新しい層にもファンを拡大するため、昨年から船釣りイベントも企画。この春実施されるイベントには、40人の定員に対して100名以上が応募し、追加の開催を予定しています。「イベント事業はすぐに売上が上がるものではありませんが、船や海に興味を持ってくれる人の絶対数を増やしたいと思っています。今はまだ、船に乗る人、船で遊びたい人、釣りをしたい人がどんどん減っている現状。こうしたイベントが新しいファン層の獲得に繋がれば嬉しいです」と島居さん。違った角度から見る瀬戸内海の魅力を伝える新しい取り組みにも注目です。
○島居マリン(しまずいマリン)
住所/尾道市向島町11953
TEL/0848-45-2218
(広島県)事業承継・M&Aに係るセミナーの開催について ※オンライン開催
投稿日:2024.03.18
広島県より、セミナーのご案内です。
【セミナー概要】
「集え!経営者たち~先輩から学ぶ事業展開の挑戦と進化~」
企業を取り巻く環境が大きく変化している中で、企業の存続に向けた「事業承継」と、成長を加速させるM&Aの重要性がますます高まっています。
中小企業の経営者、承継者候補を対象として、事業承継・M&Aを実際に経験し、成長や自社の変革へとつなげた“先輩”経営者達の、生の声をお届けするセミナーを開催します。
■日 時 令和6年3月27日(水)14:00~16:00
■開催方法 会場及びオンライン(Zoom)により開催
<会場>YMCA国際文化センター 本館401(広島市中区八丁堀7-11)
■内 容
(1)セッション1:「事業を拓く!事業承継と新事業展開の道のり」
パネリスト:下岸建設(株) 代表取締役社長 下岸 宏靖
(株)中本本店 取締役 中本 達久
(2)セッション2:「事業を拡げる!広島企業のM&Aにおける成功の秘訣」
パネリスト:(株)フリーエム 取締役会長 有田 耕一郎
吉岡機工(株) 代表取締役 吉岡 伸浩
(3)お知らせ:「広島県事業承継・引継ぎ支援センターの活用について」
■対象者 広島県内中小企業経営者の方、後継者(予定)の方、広島県内の経済支
援団体等の方
■参加料 無料
■申込締切 令和6年3月26日(火) (定員:会場20名、オンライン30名)
■申込・ 広島県商工労働局イノベーション推進チーム 中小・ベンチャー企業支援担当(担当:高原・谷本)
問合先 TEL:082-513-3355
(運営事務局)株式会社広島経済研究所
TEL:082-248-1444
申込フォーム https://forms.gle/FP99JsUUxfHwMmPz9
■詳細情報 https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/70/seminar2403.html
経営支援事例-株式会社日野折箱店(神辺町商工会)
[将来を見据えて自走するための支援を行い、事業者自らが経営革新計画や補助金申請書を作成]
投稿日:2024.03.18
日野折箱店は、アイスキャンディーに使われていた木製の棒の製造で1948年に創業し、その後、婚礼を中心とした引き出物や仏事の折箱などを製造。需要が低下した30年ほど前からは、折箱製造を離れ包装資材の卸売りを中心に行っていました。
代表取締役の日野さんが「持続化補助金に挑戦したい」と神辺町商工会を訪れたのは平成29年のこと。担当した藤本経営指導員は「補助金目的の事業計画ではなく、5年後目指すべき日野折箱店の事業計画を作成しましょう」とアドバイスしました。その時の日野折箱店の現状は福山市内の飲食店や鮮魚店、青果店に割りばしやおしぼりなど5,000アイテムを販売する『包装資材販売部門』とおせち料理などで使う木製の折箱やお弁当屋が使うプラスチックや発泡製の折箱の製造・販売を行う『折箱製造部門』の2部門で構成されており、売上の8割以上が『包装資材部門』で、営業利益は赤字で推移していました。
日野さんの希望は、『折箱製造販売部門』を強化して、2つ目の売上の柱を作ること。当時、移動販売車やテイクアウトのニーズが高まっていたこと、全国的に折箱業界は事業承継ができずに廃業が進んでいたため同業社からの製造依頼があることが背景にありました。
日野さんと藤本経営指導員が話し合って絞った課題は『集客』『受注』『製造』『出荷』『自社分析能力』の5つ。多品種少ロットが生産可能なこと、木製折箱以外にPSP折箱が製造可能なことなど、自社の強みを発信できていなかった『集客』については、ホームページを作成することで周知を広げ、アナログだった『受注』は受発注システム『CO- NECT』、『製造』には生産管理システム、『出荷』にはハンディーターミナルを活用した集荷システムの導入し、デジタル化を進めました。ヒアリングを進める中で藤本経営指導員は、これらのニーズにマッチングする補助金は事業承継補助金であると判断し、日野さんには事業承継補助金を提案しました。
申請に必要な書類は、日野さんが作成し、藤本経営指導員が作り方を助言しながら、何度も手直しして完成。その結果、平成29年度の事業承継補助金に採択されました。この時に広島県で採択を受けたのは県内で日野折箱店1社のみ。この事が日野さんにとっても大きな自信になりました。また、補助金の申請と同時進行で経営革新計画を作成し、承認を得ています。藤本経営指導員が目指すのは、これからも一人で走り続けることができる自立型の支援。藤本経営指導員は、「事業者が自走するためには、まず自分で立つことができなければいけません。そのためにまず自分で経営計画を作ることが第一歩だと考えています」と話します。その後、ニーズに合わせて福山市の課題解決補助金、小規模事業者持続化補助金などを活用しました。
当時、同商工会青年部の部長を務めていた日野さんは、青年部を卒業する際にも部員たちに経営革新計画を自分で作ることの大切さを熱弁。日野さんの事業の実績を見て経営革新計画の重要性を感じた部員に作り方を支援した結果、R5年度は3名が承認を得ました。
日野折箱店は支援後、売上が1.8倍に増加。折箱部門の売上は6.8倍となり包装資材販売部門を超えて、日野さんの希望通り事業のもう一つの柱となりました。日野さんは、機械を使いやすいように独自に改造するアイデアマン。この知識と経験を活かし、折箱専門のコンサルとしてもスタートを切りました。日野さんにしかできない技術により第3本目の柱が誕生しようとしています。また、藤本経営指導員の今回の支援事例はR5年12月の経営支援事例発表全国大会で最優秀賞となり日本一に輝きました。
○日野折箱店
TEL/084-922-3837
住所/福山市明神町1-3-7