事業所紹介-滝ヶ谷養魚場(安芸高田市商工会)

[地域に愛される祖父の養魚場を守りつつ、時代に合わせて進化。ヤマメを使った商品開発にも尽力]

「ヤマメの美味しさをたくさんの方に知ってもらいたいです」と舛本さん

 ここは、江の川水系の源流に位置するヤマメの養殖場。敷地内には釣り堀があり、雪の深い冬季以外は、美しい水で育ったヤマメ釣り楽しめます。2023年に水産製品製造業の営業許可を取得し、炭火焼きや燻製など、加工品の製造販売をスタート。ヤマメの美味しさを伝えるため、様々な加工品の商品開発にも力を注いでいます。

 

 現在、養魚場を切り盛りするのは創業者の孫にあたる舛本隆介さん。祖父が長年営んできた事業を、2021年に引き継ぎました。「ここは江の川の源流に位置し、水がキレイで夏でも水温が20度程度に保たれることから、ヤマメの養殖に最適な場所とされています。祖父が高齢で事業を辞めようとしていることを知り、長年地域に愛されてきたヤマメがなくなってしまうのは忍びないと思い、事業承継を決意しました」と当時を振り返ります。

 

 一度なくしてしまえば、これ以上条件が整った環境で再開するのは厳しいというヤマメの養殖。取引先からも続けてほしいという声が届いていたことも大きな後押しになりました。祖父の代では近隣の飲食店への卸売のみでしたが、「素晴らしい環境で育ったヤマメの美味しさをもっと知ってほしい」と釣り堀をオープンもオープンしました。

 

 昨年から、加工品の製造・販売もスタート。安芸高田市商工会の支援を受けて申請した事業再構築補助金を活用し、敷地内に加工場を新設しました。経営革新計画の承認も受け、様々なアイデアで新商品を開発しています。

 

やまめの炭火焼(左)とやまめ串(右)

 「炭火焼」は、時間をかけて丁寧な下処理を行った後、じっくりと炭火で焼き上げた商品。ヤマメそのものの美味しさを実感できます。骨まで柔らかく、余すところなく味わえるのも特徴のひとつ。そのまま味わっても良し、炊き込みご飯などの具材として活用しても良し。アイデア次第で様々な料理に使えます。

 

 お酒のアテにもおすすめなのは「やまめ串」。冷蔵庫で一晩干し、その後8時間かけて炭火で炙りながら水分を飛ばしてうま味を凝縮。濃厚なヤマメの風味が口いっぱいに広がります。商品は「ネクスコ西日本オンラインショップ」で購入可能です。

 

ネクスコ西日本のオンラインショップはこちら

 

 今後は、レストランやホテルをターゲットにした白身フィレやサクラ、ブナを使った燻製なども展開予定。今年5月から、県外の人気日本料理店と取引を開始しました。

 

 これからの課題は広報活動。養魚場やヤマメの魅力を多くの人に届けるために、小規模事業者持続化補助金を活用し、HPの作成やSNSを使った情報発信を行っていく予定です。

 

●滝ヶ谷養魚場

住所/安芸高田市美土里町桑田182-2

TEL0826-55-0758

営業時間/10:3015:00(予約のみ)、土日曜・祝日10:0016:00

定休日/不定休

ホームページ/https://shop.takigatani-yamame.com/