事業所紹介-Aya Farm(尾道しまなみ商工会)
[できるだけ自然に近い状態で育った力強い柑橘たち。柑橘本来の味と香りをお届け]
投稿日:2024.02.20
尾道市向島島内にある約5000㎡の農地で柑橘類を育てている半田綾さん。みかん、レモン、ネーブル、だいだい、はるみ、安政柑など多品種を栽培しています。「マイナーな柑橘も食べてみたらおいしいものがたくさんあります。まずは知ってもらえたらうれしいです」と半田さんは話します。
柑橘の栽培は、見た目のきれいな柑橘を育てるため、農薬や化学肥料を使用する慣行農法が一般的。半田さんもスタート当初は慣行農法を行っていましたが、徐々に農薬や化学肥料を減らしていくようになりました。「農薬や化学肥料を使っても、完璧にきれいな柑橘を作ることはできません。農薬で虫が死んでいるのを見た時に、環境も壊しているかもしれないと感じました」と半田さん。それに加え、直接販売したお客様から「見た目は気にしない」と声をかけてもらい、必ずしも慣行農法にこだわる必要がないと確信。現在はできる限り農薬を使用せず、有機栽培も取り入れながら、樹の持つ力や個性を大切にした栽培を行っています。半田さんが目指すのは、そこにあるもので成り立つ循環型の農業。「虫や草など今そこにあるものを大切にした、自然に逆らわない農業がしたいです」と話します。
こうして収穫した柑橘は不ぞろいだったり、表面にキズがあったりと、見た目の美しさこそ慣行農法に劣るものの、木の生命力を感じさせる力強い味わいと酸味と甘みのバランスの良いのが特徴。樹の個性や環境によっても味の変化があり、同じ品種でも様々な味わいが楽しめます。
収穫期には、尾道市東尾道にある直売所「ええじゃん尾道」で販売されるほか、半田さんの地元、岡山県や県内で開催されるマルシェにも出店。また、広島県内の飲食店に卸し、スイーツやドリンクにも使用されています。半田さんは「不ぞろいの柑橘は、スーパーなどに並ぶと敬遠されてしまいますが、消費者の声を直接聞けるマルシェなどでは『見た目は気にしないよ』と嬉しい声をいただきます。栽培法に悩んでいた時には、大きな励みになりました」と話します。試食もできるマルシェは半田さんにとっても消費者の声が直接聞ける貴重な機会。今後もさらに力を入れていきたいと考えています。また2023年11月からは、みかん狩りもスタート。イベントとして楽しんでもらえるだけでなく、畑の環境を広く知ってもらうための良い機会になっています。
また、柑橘を使った加工品の開発にもチャレンジ中。ジャムやお菓子、ドリンク、お酒など、その種類も多彩。実だけでなく、葉や茎から香水や草木染めを作ったり、花からシロップを作ったりと柑橘の魅力を余すところなく追及し続けています。
無農薬やオーガニックなど、安心安全な食品に対する関心が高まる中、「どうやったら必要な方に柑橘や商品を届けることができるかがこれからの課題です」と半田さん。尾道しまなみ商工会では事業計画策定を支援し、チラシの作成など販路開拓に通じる専門家を派遣。今後も広報活動などを中心にサポートを行っていく予定です。Aya Farmの情報は、インスタグラムでチェックできます。
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○Aya Farm(アヤ ファーム)
住所/尾道市向島町13532-1
TEL/080-6315-7727