白木町の新しい特産品『小豆』について知るセミナーを開催(高陽町商工会)
世代や業種の枠を超えた参加者たちが、小豆に関する研究や商品開発の成果を披露
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前回の第1回を上回る50名が参加し、会場は大いに賑わいました
広島県では江戸時代、年貢として納められるほど小豆の栽培が盛んだったことをご存じですか? 国産食材の重要性が注目される中、2020年からJA広島市が中心となり、広島県を小豆の産地として復活させようとする取り組みが始まりました。現在、県内では三次市、世羅町、白木町で栽培されており、品種は「丹波大納言」。北海道産に引けを劣らない大粒で濃い色が特徴で、粒あんにすると粒が際立ち上品な味わいが楽しめます。
高陽町商工会では、地元白木町で新しい特産品「小豆」の栽培が行われていること、さらには小豆を中心に様々な取り組みが広がりを見せていることを多くの人に知ってもらおうと、2025年1月30日(木)に同商工会本所にて「小豆セミナー」を開催しました。当日は会員事業所や行政関係者、安田女子大学の先生、県立高陽高校の学生、マスコミ関係者など約50人が参加。地域活性化の起爆剤となりうる特産品の誕生に、会場は大いに盛り上がりました。
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小豆をテーマに探求活動を行った県立高陽高校の生徒のみなさん
セミナーは2部構成で、前半は小豆の有識者による解説や小豆について研究、探求をしてきた学生たちがその成果について発表。まずは中心となって小豆の普及活動を行っているJA広島市の主幹、和田信幸さんが県産小豆の歴史や特徴について解説しました。続いて登場した安田女子大学ビジネス心理学科の古山先生は、学生の藤本彩愛さんが「広島県産小豆普及促進のために」と題して取り組んだ卒業論文を紹介。若い女性が小豆にどんな印象を持っているかを知るため53名に聞き取りを行い、その結果を因子分析や散布図分析など専門的な知識で分析を行った結果と、それを活用した新レシピの開発ストーリーを紹介しました。若い女性が持つ小豆の印象は「伝統的な」「和風」「甘い」といったもの。固定概念を覆すためにその逆をいくリバース戦略で、藤本さんは小豆を使ったカレーパンを考案。周囲にも好評で商品化にも意欲を見せていました。また、授業の一環として白木産小豆について調べ、普及推進を進めている県立高陽高校の学生たちは、これまでの活動と気軽にチャレンジできるレシピを発表。まずは、高陽高校の生徒たちに知ってもらうため、自作のチラシでPRをスタートさせていました。
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稲葉さんか実際に調理しながら、新メニューの魅力やポイントを解説しました
第2部では、フードコーディネーターの稲葉えみさんが、地元事業者の「シンプルフード」と「真ごころ食材 和」と連携して商品開発した2つのメニューを紹介。八丁味噌ダレで鶏肉を焼いて食べる“鶏焼肉”をベースにした新メニューは、タレに発酵あんこと甘いあんこをプラスして優しい甘さとコクをプラス。ニンニクをたっぷりと加え、唐辛子の辛みをきかせたタレは、鶏はもちろん様々な食材と相性が良く、おかずとしてもお酒のアテとしても最適です。また、料理に手間がかかる小豆をもっと気軽に食べてほしいとの思いから生まれたお菓子は、そのままポリポリと味わえる手軽さが魅力。呉市蒲刈産のレモンピールと加えたさっぱりとした味わいもクセになります。実演と試食会も行われ、参加者たちは小豆の新しい魅力に感銘を受けていました。
参加者からはパッケージへのアドバイスや要望、アイデアなど、多彩な意見が飛び出し、商品化への高い期待がうかがえました。高陽町商工会では、今後も白木産小豆の普及活動に努めるとともに、新メニューの商品化に向けてサポートを行っていきます。
●お問合せ 高陽町商工会 TEL/082-842-0186