事業所紹介-こうのふく(広島東商工会)
[着せる人が楽で、着る人も心地よい機能服。心地よさの秘密はオリジナルのガーゼ生地]
2018年に中藤友栄さんが創業した「こうのふく」は、介護の必要な方、寝たきりの方、着替えにお困りの方の服を作る服屋さん。代表の中藤さんがデザインした服は、パジャマとは異なり、ちょっとしたお出かけもできて着心地も抜群です。脱ぎやすさ、着やすさを追求した工夫が随所に散りばめられています。
最も魅力的なのは、オリジナルダブルガーゼの自社生地。介護用に特別に作ってもらったもので、通気性や吸水性といったガーゼの良さはそのままに、肌触りの良いなめらかな質感を追求しました。さらに耐久性にも優れています。
コンセプトは「寄り添い服」。ベースのデザインから、マジックテープ、ファスナーなどのパーツを変更するカスタマイズ、オーダーメイド、リフォームまで幅広く対応しています。「着る人の体の状態、生活環境、お世話をいている人、暮らしている場所など、全て聞いた上で最適なパーツを組み合わせています」と中藤さん。会話を大切に、一人ひとりにぴったりの一着に仕上げています。また色にもこだわり、薄いブルーやラベンダーといったパジャマによくある色ではなく、気持ちが明るくなるような色をセレクトしています。
中藤さんが「こうのふく」を立ち上げたのは、自身のお子さんが2歳で寝たきりになったことがきっかけでした。寝たきりでもかわいいものを着せてあげたいとお店を探し回りましたが、一般的な服は着せにくく、脱がせにくいものばかり。同時期にお父さんも寝たきりになってしまい、大人の着替えはさらに大変なことを知りました。「着せる人が楽で、着る人も気持ち良く過ごせる服を作りたい」、そんな想いで事業を立ち上げました。
まずは必要な人に情報を届けるため、創業した翌年に商品のPR動画を作成。作成費用は広島東商工会のサポートを受けて採択された小規模事業者持続化補助金を活用しました。さらに2022年には、同じく同商工会のサポートを受けて申請した広島市チャレンジ補助金で、自社生地を使ったタオルとハンカチを作成。合わせてHPのリニューアルを行いました。
これまではクチコミで広がりを見せていましたが、今年初めて関東の病院で導入されることが決まりました。「今後は上質な生地や小ロット対応、細かな修正対応などのメリットを活かして、病院や施設にもアプローチしていきたい」と中藤さんは話します。また、最近ではイベントなどにも出店し、自社生地の魅力を直接伝えています。12月3日(日)には、広島市心身障害社福祉センターの文化祭に、布小物作成などで連携している障害者の作業所とコラボして出店します。魅力いっぱいの自社生地の実物に触れられるチャンス。ぜひ、足を運んでみてください。
○こうのふく
住所/広島市安芸区瀬野1-42-26
TEL/080-1925-7340